今回はサンフランシスコ州立大学(SFSU)世界各国から来る留学生のサポートをメインに活動されている、青島宏一郎さんにインタビューをさせて頂きました!
青島さんは当時、桜美林大学GC学群(当初は国際学部)に在籍しており、大学4年次に10か月、サンフランシスコに留学。帰国して桜美林大学を卒業後は再び、サンフランシスコ州立大学大学院に留学し、院での留学生支援のボランティアやインターンを経験した後に、職員として現在の留学生支援を行っている。
サンフランシスコ州立大学で留学生の全面的なサポートを行う青島さん
メインの仕事としては、留学生の生活面や学習面についての全般的なサポート、そして大学院やジョブハンティングといった次のステップまでのアフターフォローです。僕の勤めるサンフランシスコ州立大学には、およそ86カ国から約1000人もの留学生が在籍していますが、大学での単位数のサポートなどに限らず、友人関係といったことも相談に乗ったりします。
あとは、日本からの留学生との交流も積極的に行っていますね。大体学生は夏に帰国することが多いのですが、僕も帰国してそういった学生の同窓会を企画して、卒業後に活躍する方々と意見交換をすることもあります!
僕の仕事の特徴は、「学生を入り口から出口にわたってサポートする」ということです。日々学生と関わっていく中では、学生一人一人にとっての人生があり、全くケースも異なるので、そういった面ではとても刺激のある仕事だと思っています。
留学前と比べて成長した部分
ありきたりになってしまうかもしれないですが、本当に視野が広がったのと、常識っていうのは存在しないことが分かりました。留学は語学の向上目的で行く人が多いですが、語学は3の次4の次なんです。何よりも留学生の色んな文化にも適応できるようになり、変な固定概念もなくなりましたね。
だからこそ別の話にはなりますが、僕もそうですし既に留学を経験された学生の皆さんには、留学中に経験したことを、世の中の人たちに伝える義務があると思っています。帰国してきて留学終わり、ではなく始まりです!より多くの人に、見聞きしたことを伝え続けてください。
海外で働く中で大変なこと
この仕事を始めたばかりの頃は、はっきり言って緊張と不安の連続でした。働く前はボランティアやインターンとしてだったので、例えば学生からの難しい質問が来た時には、そこで働く職員の方にパスしていました。
しかし職員として働くようになってから、特に初めの2か月くらいは、「果たして僕は自分の持っている語学力だけで留学生の人生の方向性を見出すことが出来るのか」といった不安、そして責任の重さを日々実感していました。だから、肩こりなどもひどかったです(笑)
ですが、徐々に仕事に慣れていく中で気づいたことがあります。語学は人に伝えるための単なるツールでしかなく、いかに知識をもっているかの方が大事なんです。留学生の中には英語がネイティブの学生もいますが、僕なりに持っている知識を学生に伝えることにフォーカスしています。そのあとから語学力はついてくると思います。
海外で働くやりがいとは
やっぱり日頃から沢山の留学生と関わる中で、その一瞬一瞬で垣間見える留学生の成長した姿というものは、やはり嬉しいものですね。だからこそ、国際交流のきっかけを与えてもらった分、自分がこれまで経験してきたことの恩返しとして、これからも学生に還元していきたいと思っています。
仕事をし始めて25年目になりますが、毎日学生から得られるものが大きいので全く飽きません!留学生ひとりひとり持つバックグラウンドは十人十色ですし、その中で逆に自分が学ぶこともたくさんあるんです。そのせいか、僕の周りの職員は良い意味で若いですよ!(笑)若い気持ちで毎日何かを得られるということは、本当にありがたいですね。
学生に向けたメッセージ
「僕は留学に行く」となると、どうしても語学力をあげたいといった明確な目標を持つことが推奨されがちですが、僕はそんな立派な目的をもたなくてもいいと思っています。
つまり、どんな些細なことでも構わないから、「あ、留学行ってみたいな」だったり「留学おもしろそうだな」だったり、そうした好奇心があれば十分に行くチャンスはあります。
また、近年は留学費用を気にする学生をよく目にしますが、少しでも留学してみたい気持ちがあるなら、奨学金を借りてでも絶対に行くべきです。そうした金銭のサポートは充実してますし、今後の人間形成の一部、そして自己投資の一環として考えたら、お金以上の価値が必ずあります。
だからといって、必ず留学に行きなさい!とは言いません。日本でも日頃から時間を上手に使ったり、色んな人のお話を聞いたりすることで、何かしらの好奇心を掻き立てることが、今後の皆さんの人生をより豊かにすると思っています。
最後になりますが、学生の皆さんにはぜひ「何事も好奇心を持って宝を拾ってほしい」ということです。皆さんがまだ知らないことってあちこちに広がっていると思います。道端に落ちている一つ一つの石ころ、つまり小さなことでもチャレンジしてみる。こうした行動を起こすことによって、石ころが光り輝き、皆さんにとっての宝となるからです。
桜美林大学のOBとして応援しています!