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【日本語海外教育実習】3つの国から”日本”と”文化”を考える
短期
現地渡航
タイ

【日本語海外教育実習】3つの国から”日本”と”文化”を考える

Profile

ノミンさん

ノミンさんリベラルアーツ学部4年

留学先
サイアム大学/タイ
留学プログラム
海外教育実習(日本語教育)
留学時期
2023年2月
留学期間
約3週間
さくら

インタビュアー

リベラルアーツ学群
さくら

今回は日本語教育に関する海外教育実習の体験記です! 私も日本語教員の資格をとるために日本語教員養成課程を履修しているので、個人的にも非常に興味深いインタビューでした。 ぜひご覧ください♪

海外教育実習の概要・興味を持ったきっかけ

インタビュアー

「海外教育実習」はどんな実習なんですか?

OB/OG

例年2月ごろ、約3週間タイのサイアム大学の日本語クラスで教壇実習を行うというものです。新型コロナウイルスの影響で、2019年ぶりの派遣となりました! 年によって要項や条件は変わる可能性がありますが、私が派遣された年の概要を紹介します。3年生以上で「日本語教授法」を履修中か履修済みの人が応募することができます。書類審査と筆記試験、面接試験の選考の後、派遣が決まるという流れでした!

留学風景
インタビュアー

なるほど!選考もあるんですね…。

OB/OG

でも、普段の授業をきちんと受けて、目的と目標を明確にしたうえで、実習に行きたいという熱い気持ちを伝えることがいちばん大切だと思います!そこまで不安に思わなくても大丈夫です。

インタビュアー

学生のうちに海外で対面の授業ができることはなかなかないので、すごく貴重な機会ですね…! そもそも海外教育実習に興味を持ったきっかけは何ですか?

OB/OG

私はモンゴル出身の留学生なのですが、モンゴル人の先輩がこのプログラムに参加していて、当時の写真などをみて桜美林大学に入学する前から自分もぜひ参加したいと思ったので、チャレンジしてみました!

インタビュアー

先輩の影響なんですね!じゃあ、いずれは海外で日本語教育に関わりたいと考えているんですか?

OB/OG

はい、海外で働くことも視野に入れています。 実際に現地で日本語教育を体験することにより、国内と国外の日本語教育の違いや特徴を学ぶことができ、海外で働くイメージをつかむことができると思いました。また、実践的な現場で日本語教育を学ぶこと、将来の選択肢を増やすことを目的に実習に参加しました!

留学風景
インタビュアー

なるほど!やはり講義だけでは実践的な学びには繋がりにくい部分もありますよね。また、実習先でどんなことを学ぶのか明らかにしていくことも大事ですね!

授業について

インタビュアー

実習前はどんなことを考えていましたか?

OB/OG

私は今回、120分の聴解の授業を5コマ分担当しました。120分の授業は教えるどころか受講したこともなかったので、まず自分が教えている姿も想像ができなくて不安でした。また、自分自身も日本語学習者なので、直前になって自身の日本語能力に対しても不安を感じるようになっていきました。

インタビュアー

120分の授業!めちゃくちゃ長いですね…。私も模擬授業の経験があるのですが、そこまで長い授業時間だと授業準備が相当大変だったように思いますが、いかがですか?

OB/OG

正直大変なことも多かったです。授業で使用するスライドは1コマで100枚以上になるし、教案も大量に書かなければいけないので慣れるまでは苦労しました。でも、学生たちが授業にとても積極的に参加してくれたので、自分ももっと頑張ろう!という気持ちになりました。学生も先生方も本当にやさしい人ばかりで、困ったときも沢山助けてくださいました。

留学風景
インタビュアー

とても素敵な人たちに恵まれて授業ができたんですね! その他、授業を進めていく中で苦労したことは何ですか?

OB/OG

1つ目はやはり授業準備です。 「聴解」の授業はしたことがなかったので、授業の進め方やどんな風に答え合わせすればいいのかが分からず、困惑しました。担当教員はアドバイスはしてくれつつも「したいように自由にしていいよ」と言ってくださったのですが、教科書の教材でテストを作ったらスピードが速すぎて難しくなってしまうこともありました。アドバイスをもとに改善しながら授業準備をしていきました。

OB/OG

2つ目は学生の日本語能力に差があったことです。 学生の能力が把握しきれていなかったので、どのように話したらいいかもわかりませんでした。11人のクラスで初中級の学生でしたが、レベルが異なる学生がいるクラスに対し、全員が理解できるような授業をするのが難しかったです。そこで、やさしい日本語を使用することや、表現に気を付けること、スライドにアニメーションをつけたりして工夫することを意識しました。学生の皆さんは意欲的で、分からない時は「分からない」と伝えてくださったり、質問にも来てくれたのですごく助かりました。

留学風景
インタビュアー

実際に自分で体験し、失敗したからこそ得られる成果も多いですね。勉強になります…! そんな不安や大変なことをどのように乗り越えましたか?

OB/OG

実習1週目は授業見学だったのですが、授業見学や授業準備の段階で先生方がたくさんサポートしてくださったので、当初抱いていた不安は徐々に薄れていきました!実習生みんなで先生のオフィスに集まって毎日準備をしたり、先生にクラスの雰囲気や学生一人ひとりの性格を教えていただいたり、タイの文化について教えていただいたりと、大変ながらも有意義な時間を過ごしました。現地の担当教員だけに関わらず、日本語教育を担当してくださっている本学の教授や他の実習生と協力することで、乗り越えることができたと思います。

留学風景

タイの生活って?

インタビュアー

滞在方法は何でしたか?

OB/OG

現地の大学が一人一部屋ずつアパートを手配してくださったので、そこに住みました!部屋にキッチンはついていなかったので、基本的に食事は大学の食堂やカフェで食べるか、ホテルの近くにあるデパートで食べていました。料理はどれも安くて美味しかったです!

留学風景
インタビュアー

物価が日本に比べて安いタイだからこそ、外食も楽しめますね!注文などで英語は通じるのでしょうか?

OB/OG

大学がある場所がバンコクから少し離れていることもあり思っているより英語は通じず、基本ジェスチャーや翻訳機で対応していました(笑) なので、生活でよく使うタイ語のフレーズを覚えていくことをお勧めします!

留学風景
インタビュアー

なるほど! 他にタイの生活で何か注意すべきことはありますか?

OB/OG

タイは本当に暑いです!水分補給など体調管理に気を配る必要はあると思いました。実習はスーツで行ったため、特に実習でタイに行こうと思っている方は気を付けてください。

互いの文化について

インタビュアー

授業をしていく中で特に意識していたことは何ですか?

OB/OG

教科書通りに日本語を教えることだけに囚われない、文化を絡めた授業を意識していました。 学生はみんな日本に興味を持って日本語を勉強しています。そこで興味をより引き出すためにも、日本語だけでなく日本の文化や母国のモンゴルについてのクイズなどの活動を取り入れました。その活動によって学生もタイの文化について考え、教えてくれるきっかけになります。楽しく学ぶ中で、互いに異文化理解を深めることができました。私自身も日本とモンゴル、タイの文化をより深く知ることで、自文化を見直すいい機会になりました。

留学風景
OB/OG

また、自分自身の体験を生かした授業も意識しました。 私も日本の文化に興味を持って日本語を勉強している日本語学習者です。学習者だからこそ分かる日本語の難しさや、漢字圏ではない国出身者の共感できる点もあるので、学習者の目線を大切にした授業を心掛けました。自分のスタイルや自分にしかできない授業をぜひしてほしいと思います!

インタビュアー

日本、モンゴル、タイの3つ文化に深く関わることで、それぞれの文化がもつ特徴を体感することができ、それを発信することで学習者も教師もより深く異文化に関心を持つことができるんですね。 ネイティブスピーカーの授業と第二言語として習得した人の授業とでは、また観点が違って面白そうだと思いました!

留学風景

最後に

インタビュアー

この教育実習で得た成果を教えてください。

OB/OG

まずはじめに、コミュニケーション能力が上がったように感じます。 自分が学習者の立場の留学と違って、自分の学んだことを伝える、相手にわかりやすく伝えるのがすごく大変でした。しかし、実際に教壇に立って経験することによって、他者と関わる力が向上しました。

OB/OG

次に、視野が広がったと感じました。 大変な授業を経験したことや様々な人と関わったことで、新しく多くのことを学びました。そこから、母国と日本、タイについて考えるきっかけになり異文化理解を深めることができました。

インタビュアー

新しい出会いや経験から、気づきや成長に繋がったんですね。 最後に、海外教育実習に関心がある方に向けてメッセージをお願いします!

OB/OG

海外教育実習では、今までの日本語教育実習で学んだことを実践することができます。そして、学んだことを活かしながら常に新たな学びが得られます。期間中では忙しいことも多いですが、たくさんのことを吸収できる貴重な機会だと思います。 関心を持っている誰でも、ぜひ挑戦してほしいと思います。初めは、日本語学習者の立場で日本語を教えることに対し、「間違ったらどうしよう」「120分で緊張したらどうしよう」などの不安も多かったです。しかし、挑戦したことでやり遂げることもでき、多くのものを得ることができました。ですから、同じ留学生で自分に自信があまりなくても、あまり考えすぎずぜひ挑戦してみてください。この体験はいろいろ学ぶことができ、新しい出会いもできた私にとって大事な思い出にもなりました。 挑戦するみなさんのことを応援していますので、ぜひ参加して貴重な経験ができように。

留学風景

最後に

  • 大変なことも周りと支え合いながら乗り越える!
  • 「日本語を教える」ことだけに囚われない授業を意識
  • 他文化を知ることで自文化を見つめ直すきっかけに

桜美林大学では、留学だけでなく海外をフィールドとした教育実習に参加することもできます。日本語教育に関心がある方は、ぜひ他の日本語教育関連の記事もご覧ください♪

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